春の味
たけのこ

食味旬味ワンポイントアドバイス

鮮度のよい“たけのこ”を選ぶのがおいしさの秘訣旬こそ、皮付きを求めて春の味を堪能しましょう


おいしい生産地情報

たけのこは、春、地面を割って地面へ出る寸前に収穫したものが一番おいしいとされています。
食用には孟宗竹が多いのですが、そのほかには秋に高地から出る淡竹や、真竹などがあります。
1月の終わり頃から出回る“たけのこ”は中国からの輸入品です。

国内産は、3月中旬から4月にかけて、宮崎、熊本から出荷が始まり、5月のはじめには最上とされる京都山城産が出荷されます。
ほかには色の白い島根産や四国からは出荷量の最も多い徳島などが5月いっぱいにかけて出回りますが、京都山城の“たけのこ”の右に出るものはないですよ。
風味・香りが甘くてやわらかい!
ただ、最近は山城も竹やぶが減ってきて生産量が少なくなっていますね。
昔は神戸からトラックで直接買い付けに行ったものですが、残念です。

神戸の中央卸売市場には、ここ数年、京都の長岡京産のものがたくさん入ってきています。


おいしい選びかた

掘りたては根元のブツブツが白っぽい。
また、先が緑色で赤くなってないものが新しいのでやわらかい。
業界用語でいうところの「くま」のある黒ずんだ“たけのこ”はダメです。
赤土で育った物がやわらかいのですが、とにかく、新鮮なものを選ぶのがおいしく食べる一番の秘訣!です

それから、本当においしい“たけのこ”は1Kg程度のずんぐりした太いもの。

国内産全体の生産量が昔の10分の1まで減ってきているので、市場といえども毎日いいものがはいるとは限りません。
残念ながら今日はあっても明日はないこともあるんですよ。
できたら、「朝掘りのいいのが入ったら電話してね!」って声をかけてくれるとありがたい。
責任もって用意しますよ。


おいしく食す前の下ごしらえ

近頃の店頭には、すでにゆでた“たけのこ”もおいてありますが、鮮度のよい“たけのこ”を求められたら、とにかくすぐにゆでることが大切です。

下ごしらえの方法は、一般的には、大きな鍋に米のとぎ汁か米ぬかをいれた水にタカノツメを2本入れてた中で、約1時間ゆでます。
ところが、本当に新鮮なものを選ぶと20分~30分でゆであがるんですよ。
まさに鮮度こそが究極のコツ!です。

大きなお鍋のない方にお勧めの方法は、まず“たけのこ”の汚れをよく洗い落として、包丁で縦2つに割ってしまいます。
この大きさだとお鍋から頭が出ることも少なく扱いやすいんです。
根元から半分くらいの皮はむきますが、上半分は皮付きのままに残しておくのもコツです(先のやわらかい部分が折れないように)。
皮を残してゆでるのは皮の毛があく灰汁を取り去る働きがあるからなので、全部はむかないようにします。

竹串を刺して楽に通れば火を止めて、ゆで汁につけたままさまします。
できればそのまま一晩おいて、翌日たわしでよく洗って、さらに半日ほど水にさらしてから皮をむくと、完全にえぐみが抜けます。


お刺身

時季より鮮度、朝堀りの新鮮な逸品に出会ったら、まずはお刺身で。


木の芽和え

〔職人さんのひとこと〕
木の芽にほうれん草をたしてリーズナブルに!隠し味は白味噌にちょっと加えたマヨネーズ

木の芽和えのつくりかた

  1. 1cm角のさいの目に切ったたけのこ(160g)はだし汁(1カップ)、薄口しょうゆ、みりん(各少々)で約4分、落とし蓋をして煮、そのまま冷やします。
  2. 薄皮をむいて、切込みを入れたいか(100g)も1cm角に切り、塩(少々)、酒(大さじ1)を加えて炒ります。
  3. ゆでてすり鉢ですったほうれん草に、木の芽を加えてさらにすり、白味噌(80g)と砂糖、みりん(各大さじ1)を入れて混ぜます。
  4. いただく直前にたけのこといかを木の芽みそで和え、盛り付けます。

土佐煮

〔職人さんのひとこと〕
たけのこは味が入りにくい素材なので、だしはかつおをきかせるのがコツ!

土佐煮のつくりかた

  1. たけのこ(500g)は約1.5cmの厚さの輪切りに。
  2. 鍋にたけのこがかぶる程度の水(約3 1/2カップ)、削りがつお(15g)を入れて強火にかけ、煮立ったらあくをとって中火に落とし、砂糖(大さじ3)とみりん(大さじ1)を加え、落とし蓋をして5~6分煮ます。さらに、しょうゆ(大さじ5)を加えて落とし蓋をして、煮汁が1/3程度になるまで煮ます。
  3. 削りがつお(15g)を厚手の鍋に入れ、弱火で炒り、取り出してさましておきます。
    冷めたら手でもんで粉がつおにしておきます。
  4. たけのこの汁気を切って、粉がつおをまぶして、木の芽をあしらいます。

姫皮のなます

〔職人さんのいちおし!〕
これぞ珍味!
ゆでたたけのこの皮をむくときに出るやわらかい姫皮を水につけておいて、細切りに。
大根、にんじんなどの細切りとあわせてなますに。
香り付けにはゆずかすだちをどうぞ。


食味旬味便り

走り・・・あくが少なく、きめ細かく歯ざわりがやわらかい。
そのままお造りかさっと塩焼きに。

旬・・・3月半ば~4月、最も出回る時季。
部位によって使い分けるのがコツ。
穂先の柔らかい部分は旨みが多いので和え物などに。
旬の“たけのこは”風味、旨みが十分にあるので、みりんや砂糖をひかえて、だしを利かせた料理がおすすめ。

名残り・・・香りが高い。
あくが強くなるのであく抜きの時間を長めにするのがコツ。
大胆に切って木の芽焼きなどにする。


市場の職人さんにききました

板宿連合市場西部(須磨区) 松本商店(青果店) 松本 清治さん

マルシン(兵庫区) かね竹(惣菜店) 小林 二一さん