市場の旬は、
これからだ!

冬の食材 12月・1月

12月・1月
December ,January

1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!

教えて松沢先生!

12月・1月の
食材選びのPOINT!

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松沢 祥子
2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。

■松沢先生のラジオ番組(standfm)
https://stand.fm/channels/6704df5f193cd72dcb2d56ab

■しょこ主宰オンラインショップ
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風邪には2種類ある!?
症状に合わせた食養生で早期回復を!

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 今年の風邪は、例年よりも咳が強く、長引く傾向が見られます。夏の猛暑で体内の水分が奪われ、体全体が乾燥してしまっていることが一因と考えられます。咳だけでなく、肌荒れや便秘が気になる場合も、同じく乾燥が影響している可能性があります。今の季節の過ごし方は、来春の体調にもつながります。旬の食材を取り入れ、日頃から体を養生していきましょう。さて、どれほど気を付けていても、風邪をひいてしまう時はあります。そんな時、大切なのが、症状に合わせた適切な養生をすることです。今回は、症状別の対処法についてご紹介します。

■ 初期症状で邪気を追い払う

東洋医学では、風邪は冷え風邪と熱風邪の2種類に分けられます。冷え風邪は、さらさらした鼻水、寒気、体のこわばりといった症状が特徴です。この場合は体を温めることが最優先。ショウガ、ネギ、青じそなど温める作用のある食材を積極的に摂り、体の内側から温まりながら汗と共に邪気を排出します。ショウガは加熱せず生で摂るほうが効果的です。肩こりなどの症状がある場合は、くず湯が効果的です。ただし、くず湯として売られているものの中には、本くずが入っていない場合がありますので、成分表をしっかりご確認ください。
一方、熱風邪には高熱、喉の痛み、黄色い鼻水などの症状が現れます。この場合は体内の熱を放出することが重要です。大根、白菜、キュウリ、ミントなど、熱を冷ます作用のある食材を意識して取り入れてください。

■ 症状に変化に合わせて次の養生を!

咳は「 痰があるかどうか 」で対処が変わります。痰が絡む咳の場合は、肺に溜まった余分な水分を排出する必要があります。ゆず、大根、冬瓜、豆類、もやしなどが有効です。
逆に痰が出ない乾いた咳は、体が乾燥しているサイン。ハチミツ、梨、大根、アーモンド、レンコンなど、潤いを補う食材を摂りましょう。
喉が痛む時は、大根とハチミツの組み合わせが非常に有効。「 大根ハチミツ 」は昔から家庭で使われてきた方法で、薄切りの大根を蜂蜜に漬け、そのエキスを飲むと喉の痛みが和らぎます。
さらさらした鼻水なら体が冷えている状態です。ショウガ、ネギ、青じそなど温める食材で対処します。粘りのある鼻水は体内に熱がこもっている証拠。ミント、緑茶、カモミールティーなどで熱を落ち着かせます。温かい状態で飲んでも大丈夫です。

回復期は “ 気 ” と “ 水 ” をチャージ

風邪の回復期には、失われた“ 気 ”と“ 水 ”を補うことが大切です。気を養うには、芋・米・豆類が最適。芋はポタージュスープに、お米はお粥にすると消化に優しく体に負担をかけません。
水を補うには果物が効果的で、特にリンゴは体を冷やしすぎずに水分補給できます。山芋は“ 気と水 ”の両方を蓄えられる優秀な食材です。

何より大切なのは予防!

風邪の対処も重要ですが、予防こそ最大の養生です。風邪という字は“ 風の邪気 ”と書きますが、この邪気から体を守ってくれるのが回復期でも説明した“気”になります。気を養う食材は穀物・豆類・芋・きのこ・ブロッコリーなど。サバや鮭、牛肉も気を補う働きがあります。特に肉類は麹に漬けて調理すると、消化が良くなり体への吸収を助けてくれます。

神戸の市場に買いに行こう!

12月・1月の食材
Pick UP

ショウガ画像

ショウガ

おいしいショウガを選ぶポイントは、表面がつるりとしていて、全体にふっくらと丸みがあること。寒い時期なら、甘酒に少しすりおろして加える飲み方がおすすめです。しっかりとあらって土を落とし、皮ごとすりおろすと栄養価が高く、香りもより豊かに楽しめます。
一度に使い切れない場合は、新聞紙に包み、ビニール袋には入れずに野菜室で保管しましょう。

菊菜

冬に旬を迎える菊菜。神戸で購入するなら「 神戸西農協 」と記載されたものがおすすめです。地元で収穫されるため鮮度が高く、柔らかくて食べやすいのが特徴。香りも良く、すき焼きはもちろん、旬の牡蠣を使った牡蠣鍋との相性も抜群です。冬ならではの味わいをお楽しみください。
菊菜画像
ミント画像

ミント

春が旬のミントですが、ハウス栽培が多いため通年手に入れることができます。香りが良いミントの見分け方は、まず色目。しっかりと緑が濃いものは鮮度が高い証拠です。また、鮮度が落ちてくると、茎が黒っぽくなるため、茎もなるべく緑の物を選びましょう。ミントティを飲む時は、茎の部分を指先で少しひねると、より香りを楽しめます。
この食材について教えてくれた人
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前川商店
前川隆志さん
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大安亭市場
前川商店
住 所:神戸市中央区東雲通5丁目
TEL:078-221-6339
営業時間:9:00~18:00
定休日 日曜日