冬の食材 1月
1月
January
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
1月の食材選の
POINT!
松沢 祥子 2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。 ■松沢先生のブログはこちら https://ameblo.jp/hakkkolabo105/ ■しょこ主宰オンラインショップはこちら 「発酵ラボ」 ■健康料理教室はこちら 「ポジティブエイジングクッキング」
お肉は種類や部位によって、さまざまな効能がある食材。
撮影ご協力:神戸食堂はぁとす。(神戸市中央区東川崎町1丁目8−4 10F)
お肉は気と血を補ってくれる食べ物です。そのため、血が不足しがちな女性、中でも産後の体力低下が気になる方は意識して適量を摂ると良いでしょう。女性に限らず、肌や髪が乾燥したり、爪が割れやすいという方は血が不足している可能性があります。心当たりのある人は、血を補うことを意識してください。 お肉と一口に言っても牛、豚、鳥で得られる効能が異なります。血を補うこととよく知られているのが牛のレバー。特に2月4日の立春以降は、肝が弱くなりやすいとされる時期です。血と肝を補ってくれるレバーは、この季節にぴったりです。また、冬は足腰が弱くなりやすい時期でもあります。牛すじは足腰を強くしてくれ、体も温めてくれる食材なので、これも今の時期に摂ると良いでしょう。 豚肉は、補血に加えて体も潤わせてくれます。そのため、体が乾燥しやすい秋冬に取り入れたい食材です。中でも、豚足は皮膚の乾燥を防いでくれるとされています。母乳も出やすくなるので、授乳期のお母さんにもおすすめです。 鶏肉は、部位に関わらわず温性の食材とされているため、今の時期に摂るととてもよい食べ物です。脂質が少ないため胃腸に優しく、病気明けに摂ると体を元気にしてくれるでしょう。 血が少なくなると精神的にも弱ってきてしまいます。しっかり血を補いながら、毎日を楽しく過ごしましょう。
神戸の市場に買いに行こう!
1月の食材Pick UP
ミスジ(牛)
美味しい牛肉の赤身が食べたいと思った時、おすすめなのがミスジです。あっさりとしていながら旨味をしっかりと感じられる部位です。牛1頭から4kg程度しか取ることができない希少なお肉。しかしながら、お求めやすいお値段なのも魅力です。食べ方としては、しゃぶしゃぶが人気。湯に通すことで余計な脂を落とし、よりあっさりと食べやすくなります。もちろん、すき焼きにして食べるのもOK。牛肉らしさをがっつりと味わいたい方は、焼き肉でお召し上がりください。
牛すじ(牛)
カレーや肉じゃが、焼き飯など、いつもの料理をワンランクアップさせてくれるのが牛すじ。牛すじを調理する際のポイントは柔らかくなるまで、しっかり煮込むことです。とはいえ、料理をしたものの、硬くて失敗してしまったという経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。そんな方に是非覚えていてほしいのが、黒毛和牛と国産牛では煮込む時間が異なるということです。黒毛和牛の場合は約20分、国産牛の場合は少し長めの約40分を目安にしてください。牛すじカレーを作る場合は、具材と一緒に煮込むことで牛すじの甘みがよく出て美味しくなります。
肩ロース(豚)
豚肉の部位でおすすめなのは肩ロース。背ロースと比較して味が濃厚なのが特徴です。食べ方としては、スタンダードにしゃぶしゃぶで食べるのが一番のおすすめ。そして、ここ数年で増えている食べ方が、すき焼きに入れるというもの。関西ではすき焼きに豚肉を使う人はまだまだ少ないかもしれません。しかし、近年はすき焼きをする時に割り下を使う人が増えているため、豚肉でもしっかりとした味わいを楽しむことができ、人気となっています。是非一度、ご賞味ください。
この食材について教えてくれた人
神戸菊水 吉國客一さん
ハートフルみなとがわ 神戸菊水 住 所:神戸市兵庫区荒田町4丁目29-24 ハートフルみなとがわ133 TEL:078-511-0067 営業時間:9:30~18:00 定休日:木曜日
レバー(鶏)
レバーの炒め物や甘辛煮というメニューを聞くだけで、胃袋が刺激される方もいらっしゃるのではないでしょうか。その一方で、独特のくさみが苦手という方も少なくないと思います。くさみの少ないレバーの選び方は、鳥に限らず牛でも同じことが言えるのですが、とにかく新鮮なもの手に入れること。鶏肉専門の場合、朝びき鶏という早朝に処理された新鮮な鶏肉を扱っているお店が多いです。くさみの少ないレバーを食べたい時は、是非、専門店でお買い求めください。その上で、調理をする際は流水で揉みながらしっかり血を洗い流します。そして、キッチンペーパーで水を切って料理すれば、よりくさみが抑えられます。なお、レバーは赤いものよりも、白っぽいものの方が美味しいのでおすすめです。
ネック(せせり)
鶏肉の中でも、おすすめなのはネック。名前の通り、首の骨の周りについている筋肉で食感に弾力があり、噛めば噛むほど肉汁を感じられます。焼いてそのまま食べたり、肝やズリと一緒に食べるのもおすすめですが、一度試してほしいのが炊き込みご飯。もも肉に比べてあっさりしていますが、風味と食感をお楽しみいただけます。
この食材について教えてくれた人
宇治川センター 福井繁雄さん
宇治川センター 鳥福 住 所:神戸市中央区楠町1丁目1-1 TEL:078-361-3077 営業時間:9:30~18:00 定休日:日曜日・祝日