秋の食材 10 月・11 月
10 月・11 月
October / November
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
10 月・11 月の食材選の
POINT!
松沢 祥子
2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。
■松沢先生のラジオ番組(standfm)
https://stand.fm/channels/6704df5f193cd72dcb2d56ab
■しょこ主宰オンラインショップ
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夏に疲れた体を立て直し!
例年以上に意識したい秋の養生。
撮影場所:マルシン
毎年のように「今年の夏は暑い!」と感じますが、今年はより一層暑さを実感されていた方も多いのではないでしょうか。そこで今年の秋はいつも以上に、体をいたわる食事を意識していただきたいと思います。秋の養生のポイントは大きく分けて3 つです。
1つ目は、”体に潤いを与える”ということです。秋の邪気は燥邪(そうじゃ)と呼ばれ、体が乾燥しやすくなります。肺が乾燥すると咳が出やすくなり、腸が乾燥すると便秘気味に。水分を補給することも大切ですが、体をしっかり潤わせるためには食材から水分を取り入れることが重要です。秋はまだ気温が高い日もあるので、初秋は温燥(おんそう)と呼ばれ、熱から体を守りながら潤いを与えてくれる、れんこん、ごぼう、大根、白菜、梨がおすすめです。貝類ではホタテ、牡蠣、いか、あさりなどが良いとされています。気温が下がり始める10 月後半からは、涼燥(りょうそう)と呼ばれ、冷気から体を守りながら潤いを与えてくれる食材を。生姜、さつまいも、りんご、ほうれんそう、山芋などを意識して摂りましょう。
2つ目のポイントは、 夏に消耗した体力を養う ことです。近年では、秋バテという言葉を耳にすることも珍しくなくなりました。秋バテしないように暑さで疲弊した体力を補うためには、秋に旬を迎えるさんま、サバ、アジ、鮭といった魚類を食べて、気血を補いましょう。
そして、3 つ目は お腹を立て直す ということ。暑さのあまり、冷たい飲み物や食べ物を例年より多く摂ってしまった方も多いのではないでしょうか。そんな方は、穀物・いも類を意識して食べるようにしましょう。食材としては、さつまいも、長芋、玄米、白米が良いとされています。もし顕著に胃腸が弱っていると感じている人は、スープやおかゆといった消化に優しい食べ方にしてください。逆に、いくら食べても満腹にならないという方も、消化不良のサインの可能性があるので要注意です。
たくさんの食材が旬を迎える秋なので、食べたいものを目一杯食べられるように、体の調子をしっかり整えていきましょう!
神戸の市場に買いに行こう!
10 月・11 月の食材Pick UP
秋鮭
鮭は一年を通して手に入りやすい魚の1 つですが、10 月頃に水揚げされる鮭を秋鮭と呼びます。生鮭で販売されることが多い秋鮭は、塩鮭とは違い自分で塩加減を調整できるため、血圧を気にされている方も安心して食べることができます。脂が少なくさっぱりした味わいが特徴で、塩焼き以外ではムニエルやお鍋、ちゃんちゃん焼きなどで食べるのがおすすめです。
サバ
サバも鮭と同様に時期を問わずに見かける魚ですが、この時期には冷凍ものではなく、鮮度の高い生のサバが並びます。「秋サバは嫁に食わすな」という言葉があるほど脂がのっていておいしいのですが、冬にかけてさらに脂がのってくるので秋以降も楽しみな魚です。塩焼きや煮付けで食べてもおいしいですが、新鮮なサバなので生寿司にするのもおすすめです。寄生虫による食中毒が気になる方は、42 時間冷凍してから調理してください。
サワラ
サワラもこれからの季節に旬を迎える魚です。漢字では「鰆」と書くため、春に旬を迎える魚と思われがちですが、これは旧暦の春を指すため実際には冬にぐっと脂がのってきます。逆に春になると産卵をするので身が痩せてしまうため、おいしいサワラを食べるなら是非この時期に。 塩焼きや味噌焼きで食べるのがおすすめです。
この食材について教えてくれた人
おの屋
小野雄矢さん
NAGATA食遊館
おの屋
住所:長田区長田町1-1-1
TEL:078-691-0250
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
サンマ
秋の味覚の代表的な鮮魚と言えば、やはりサンマ。近年は不良が続き、以前に比べると高値がつくことも多くなりましたが、秋のサンマは脂がのっておいしい魚であることは間違いありません。塩焼きが最もメジャーな食べ方ですが、新鮮なサンマなら是非、刺し身や炙りでお召し上がりください。お酒のアテにもぴったりです。
ブリ
寒くなるとブリを待ち遠しく思う人も、多いのではないでしょうか。冬にかけて脂が乗ってくるブリも、この時期におすすめの魚です。部位によって脂のノリ具合が違うため、食べ方によって部位を選ぶとよりおいしくお召し上がりいただけます。例えば、塩焼きで食べたい方は脂が控えめの背中側を。お刺身やブリしゃぶで食べたいという方は、よく脂がのったお腹側の身を選ぶと良いでしょう。
牡蠣
牡蠣も11月頃から店頭に並び始めます。兵庫県産であれば、赤穂の牡蠣が有名どころ。秋から出回る牡蠣ですが、出始めはサイズが小さいものが多いです。そのため、秋の牡蠣は酢牡蠣や雑炊、お好み焼きで食べるのがおすすめ。季節が進み、1 月、2 月になるとサイズが大きくなったものが出回るためフライなどにしても食べ応えがあります。
この食材について教えてくれた人
村上鮮魚店
村上十糸子さん
板宿きたいちば
村上鮮魚店
住所:神戸市須磨区飛松町2 丁目
TEL:078-732-4966
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日・月曜日・祝日