晩秋の食材 11月
11月
November
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
11月の食材選の
POINT!
松沢 祥子 2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。 ■松沢先生のブログはこちら https://ameblo.jp/hakkkolabo105/ ■しょこ主宰オンラインショップはこちら 「発酵ラボ」 ■健康料理教室はこちら 「ポジティブエイジングクッキング」
冬は体力や免疫力を司る『腎』をいたわる“黒い食べ物”を。
撮影ご協力:神戸食堂はぁとす。(神戸市中央区東川崎町1丁目8−4 10F)
東洋医学の世界では季節の変化と共に、身体にもその時期特有の不調が現れると考えられています。最近、よく耳にする機会が増えた薬膳は、この東洋医学をベースにして、旬のものを食べることで季節に必要な効能を得るというものです。 11/8の立冬を過ぎると季節は冬に入ります。冬の季節は東洋医学において、“老化が進みやすい季節”。そのため、成長・老化、免疫力を司る『腎(じん)』を養生する必要があります。腎が弱ると症状として現れるのが、免疫力低下や抜け毛や白髪、耳が遠くなるというもの。「冬になるとトイレが近くなる」というのも、実は腎に関連がある膀胱が弱まっているサインの可能性があります。 この腎を守るとされているのが、“黒い食べ物”です。黒ゴマや海藻、黒酢などが特に良いとされています。おせち料理に黒豆が入っているのも、こうした考え方からでしょう。他にも、冬の野菜では栗やゴボウ、ブロッコリーやマッシュルーム、ニラ、クルミなども腎に良い食材です。また、この時期に食べる果物は、体を冷やさないリンゴなどがおすすめ。柿は生だと体を冷やすので、干し柿を選ぶと良いでしょう。 旬の食材は、その時に必要なエネルギーを与えてくれるもの。是非、小売市場で旬の食材を選び、寒さに負けることなく楽しい冬を過ごしてください。
神戸の市場に買いに行こう!
11月の食材Pick UP
小芋
この時期に旬を迎える野菜のひとつが小芋。里芋が最もメジャーですが、その他にも、赤芋、海老芋という小芋があります。里芋はねばり、赤芋はほこほこっとした食感、海老芋はもちっと感が特長的。中でも海老芋は秋~冬にしか手に入らない小芋なので、是非この時期に食べてもらいたい食材です。食べ方としては、煮物や豚汁はもちろん、ジャガイモの代わりにおでんに入れるのもおすすめ。 小芋の皮を剥く際に、手が痒くなることがありますが、そんな時は軍手をすれば手の痒みを軽減できます。八百屋によっては、皮を剥いた状態で売っているお店もあるので要チェック。全部食べきれない時は、皮を剥いている場合は乾かないように水に浸して冷蔵庫へ、土付きのままの場合はキッチンペーパーで包んで湿度を保ち、風通しが良い場所に置きましょう。
白菜
1年を通して見かけることが多い白菜も、この時期に旬を迎える食材です。旬の白菜は、葉がとても柔らかく、まさにトロけるような食感になります。甘みもぐっと強くなるので、お鍋はもちろんのこと、お味噌汁などに入れるのもおすすめです。美味しい白菜の見分け方としては、芯の白い部分があまり伸びていないこと。また、葉が詰まり過ぎておらず、少し空間があるくらいの方が柔らかくて美味しいです。 たくさん買って食べきれないときは、乾燥しないようにラップを巻いて冷蔵庫に入れておけば、1週間ほどは問題なく食べることができます。残った白菜は塩もみをして、漬物風にして食べても◎。
この食材について教えてくれた人
松本商店 松本大介さん
板宿連合市場西部 松本商店 住 所:神戸市須磨区飛松町2丁目 TEL:078-732-5229 営業時間:9:00 ~ 18:30 定休日:木曜日
りんご
11月に収穫期を迎える果物はたくさんありますが、その1つがりんご。そして、果物屋にりんごを買いに行くなら、是非チェックしてほしい品種が「サンフジ」です。サンフジは蜜入りリンゴと呼ばれるほど、とても甘みが強いのが特長。りんごは袋をかぶせた状態で育てるのが一般的ですが、この「サンフジ」は袋をかぶせず、太陽を目一杯当てながら育てることで糖度を高めています。 美味しいリンゴの見分け方は、全体が赤く、色が濃いこと。さらに、軽く指ではじいて高い音がすれば鮮度が良く、実がしっかりしている証拠です。保存する際は、暖房が当たるような場所は傷みやすくなるためなるべく避けましょう。適温は5~10℃です。
みかん
秋冬の果物と言えば、みかん。みかんもいろいろな品種が並びますが、11月頃は「宮川」や「早生(わせ)」という品種が甘くておいしいので、是非チェックしてみてください。 美味しいミカンの見分け方はいくつかあります。まずは大きさ。ひと昔前までは大きい方が見栄えが良くて人気でしたが、甘みは小さい方が強い傾向にあります。しかし、サイズが同じでも糖度が全く違うことは珍しくありません。それは、実がついていた場所によって、日光を受ける量が違うからです。木の南側につく実の方が太陽の光を受けやすく、甘みが強くなります。それを見分けるポイントは色とキメです。色はオレンジの濃い方が糖度が高く、さらに、キメが細かければ細かいほど甘いとされています。みかんを買う際は、サイズ、色、キメに注目してみてください。
この食材について教えてくれた人
フルーツのながお 長尾 賢一さん
大安亭市場 フルーツのながお 住所:神戸市中央区八雲通4-3-12 電話番号:078-271-0007 営業時間:7:30(日曜日・祝日は8:00)~ 19:00 定休日:年中無休 ※1/1~4は休み