冬の食材 12月
12月
December
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
12月の食材選の
POINT!
松沢 祥子 2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。 ■松沢先生のブログはこちら https://ameblo.jp/hakkkolabo105/ ■しょこ主宰オンラインショップはこちら 「発酵ラボ」 ■健康料理教室はこちら 「ポジティブエイジングクッキング」
血の不足は冷えの原因に。 冬は血を補い、巡らせる食材を。
撮影ご協力:神戸食堂はぁとす。(神戸市中央区東川崎町1丁目8−4 10F)
気温もぐっと下がり、冬らしさを感じる日が増えました。毎晩のお風呂も楽しみな季節ですが、少し気にしてほしいことがあります。それは、熱い湯船に浸かった時に、気持ちいと感じるということは、体が冷えている可能性があるということです。そこで、今回は体をあっためる食材を紹介します。 冷えの原因の1つとして考えられるのが、血の不足。魚介類の中で血を補ったり、巡りを良くしてくれるものとしてサバ、鮭、ブリ、などがあげられます。ウナギも夏の食べ物と思われがちですが、血を補ってくれる魚です。また、エビやフグ、さわらは身体を温めてくれるので、冬に食べたい食材です。 こうした食材と相性の良い野菜類が、ネギ、シソ、ショウガ、たまねぎ、ニラ、ニンニクなど。これらは体を温めてくれる野菜とされており、例えばサバの味噌煮にショウガをのせたものや、たまねぎの入った鮭のちゃんちゃん焼きなどの組み合わせは抜群です。ちなみにショウガは火を通すと体を温めてくれますが、生で食べる場合は発汗作用があるため、風邪の時は味噌汁にすりおろしたショウガを入れるのも良いでしょう。なお、キュウリやトマトなどの夏野菜は体を冷やす効果があるため、冬には避けたい食材ですが、もしも、冬に食べる時は火を通すのがおすすめです。 体調を崩しやすい季節になりましたが、食で養生しながら、元気に新年を迎えましょう!
神戸の市場に買いに行こう!
12月の食材Pick UP
フグ
縁起も良いことから、お正月に食べる方も多いフグ。フグはやはり冬に身が太るため、この季節に美味しくなる魚の1つです。フグを買う時は上から見て、体が太いものが肉厚でおすすめ。骨がなく、クセもないため食べやすいのはもちろんですが、捨てるところがないのも魅力です。身は鍋やてっさ、唐揚げで食べ、ヒレはヒレ酒に、そして、皮は湯引きに。産地によって身のねばり具合が多少異なるため、鮮魚店にお越しの際は、店主のおすすめを聞いてみてください。
この食材について教えてくれた人
柳瀬鮮魚店 柳瀬正明さん
マルシン 柳瀬鮮魚店 住 所:神戸市兵庫区東山町2丁目8-61 TEL:078-511-5291 営業時間:9:30 ~ 18:00 定休日:水曜日
ブリ
寒ブリという言葉があるように、ブリも冬に美味しくなる魚。太平洋の南から栄養豊富な魚を食べながら上がってくるブリは丸々と太って食べ応え十分です。脂ものっているため、甘みが強くなるのも、この時期のブリの特徴。お刺身はもちろん、ブリしゃぶやブリの照り焼きにしても美味しく召し上がっていただけます。天然ものでは北海道産が有名ですが、養殖も盛んで、天然ものに劣らない、脂がのったブリをこの時期に楽しめます。
サワラ
魚へんに春と書く鰆(サワラ)。春を告げる魚とも言われますが、実はサワラも冬に一番脂がのって美味しくなります。兵庫近海では明石産のサワラも有名です。味噌漬け、粕漬け、生寿司(きずし)などがおすすめの食べ方。なお、サワラは出世魚の1つで、少しサイズの小さいサワラをサゴシと言います。50~60cm程度のサワラを指し、サワラと比べて少し脂があっさりしているのが特長です。あまり脂がのり過ぎているのが苦手という方は、サゴシをお買い求めください。
この食材について教えてくれた人
鮮魚古川 古川直樹さん
二宮市場 鮮魚古川 住 所:神戸市中央区琴緒町3丁目3-5 TEL:078-252-0405 営業時間:7:00 ~ 19:00 定休日:日曜日(午前中は開店)
サバ
昔から、日本人に大衆魚として愛されてきたサバ。一年中見かけますが、冬にぐっと脂がのって美味しくなります。「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉がありますが、実は「秋鯖は嫁に食わすな」という言葉もあるほど秋から冬にかけてのサバは旨味が増します。焼き魚としてはもちろん、味噌煮やサバ寿司もおすすめ。もしお一人暮らしなどの方で、1匹食べきれなかった場合は冷凍しておいても良いですが、煮付けてから冷凍すれば、いつでも美味しくお召し上がりいただけます。
イサキ
あっさりとした上品な味わいのイサキ。春から夏頃が旬と言われることもありますが、実は脂が1番のってくるのは冬の時期。兵庫近海のものでは、淡路島産のイサキがよく店先に並びます。おすすめの食べ方は刺身や煮つけなど。アジやサバに比べると食卓に並ぶ機会が少ない魚かもしれませんが、この時期とても美味しくなる魚ですので、是非一度ご賞味ください。
この食材について教えてくれた人
丸沖水産(有) 沖親男さん
二宮市場 丸沖水産(有) 住 所:神戸市中央区琴緒町3丁目3-5 TEL:078-221-8327 営業時間:9:00 ~ 17:00 定休日:日曜日・祝日