冬の食材 2月
2月
February
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
2月の食材選の
POINT!
松沢 祥子 2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。 ■松沢先生のブログはこちら https://ameblo.jp/hakkkolabo105/ ■しょこ主宰オンラインショップはこちら 「発酵ラボ」 ■健康料理教室はこちら 「ポジティブエイジングクッキング」
撮影ご協力:神戸食堂はぁとす。(神戸市中央区東川崎町1丁目8−4 10F)
今回のテーマは「腸内環境と発酵食品」。腸内環境を整えることのメリットや、腸に良いとされる発酵食品の選び方について、漢方内科の先生であり、発酵食品を使った加工食品の販売や麹調味料を使った料理講座なども主宰している松沢先生にお話を伺いました。
花粉症や肌荒れの原因は、
腸内環境にもある。
春が近づいてくると心が躍る一方で、花粉症や肌荒れに悩まされるという人も少なくないかもしれません。実はこうした花粉症や肌荒れは、腸内環境と深い結びつきがあると言われていることをご存じでしょうか。花粉症や肌荒れに限らず、アレルギー性疾患や糖尿病、そして、鬱などの症状も、腸内にいる菌が関係しているという事が近年の研究で発表されています。最近は腸活という言葉をよく耳にしますが、まずは自分の腸内環境の良し悪しを知ることから始めてください。バロメーターとなるのは、毎日の便の状態です。目安はバナナの形や大きさがベスト。あまり匂いもしない方が良いです。もし、形や大きさ、匂いが気になれば、腸内環境が崩れている可能性があるので要注意です。
腸内環境を整えるには、
発酵食品が1番。
腸内環境を整える“腸活”を進めるにあたって、1つ知っておくと良い知識がプロバイオティクスとプレバイオティクスの存在です。プロバイオティクスとは、腸内の環境を整えてくれる菌そのもののこと。一方、プレバイオティクスは腸に居る菌のエサになる食品成分のことです。 プロバイオティクスに代表される食品は、味噌、キムチ、納豆、ヨーグルト、甘酒など。これらに含まれる菌は、胃酸や熱に弱く、60度以上の熱を通したり、胃を通過するときに死んでしまう菌もいます。ただし、死んでしまったものを食べても意味がないというわけではありません。腸にいる菌のエサになるので、菌を活性化する効果が期待できます。 プレバイオティクスの代表的なものは、食物繊維とオリゴ糖です。食物繊維はゴボウやサツマイモ、きのこなどの野菜に多く含まれており、オリゴ糖は大豆などの豆類、玉ねぎ、バナナなどに多く含まれているとされています。
腸内の菌は人それぞれ。
自分に合う発酵食品を。
腸には無数の菌が存在しています。そのため、さまざまな発酵食品を摂ることがおすすめです。ただし、腸に居る菌は人の指紋のように、それぞれ異なります。そのため、何を食べると腸内環境が良くなるかというのは、人それぞれ違うのです。自分に合う発酵食品を見つける方法としては、同じ食品を3日~1週間ほど摂り、便や体調の変化を観察してください。もし良くなる兆しがなければ、別の発酵食品に変えるという方法で、自分に合う発酵食品を探すと良いでしょう。なお、お味噌は自分でこねて作ったものが、自分に一番合う菌の味噌になると言われています。 あと、腸内環境は食事だけでなく、生活環境にも影響を受けます。特にストレスは善玉菌の天敵です。逆にリラックスすることで副交感神経が活発になり、腸がよく動くようになります。ストレスを感じずに暮らすことは難しいですが、息抜きの時間も大切にして、春を感じながら楽しくお過ごしください。
お味噌屋さんの味噌づくり5STEP
STEP1
まずは大豆を良く洗い、水に浸します。 冬場の水温(10度前後)であれば、18時間以上が目安です。 大豆が十分に吸水していることを確認したら、水を替えて鍋に入れていきます。 豆の煮あがりは、親指と小指でつぶれるくらいの硬さがちょうどいいです。
STEP2
大豆を人肌まで冷ましたら、次は手を使って潰していきましょう。 その次に、潰した大豆と塩きり麹を混ぜ合わせます。 硬さは『耳たぶくらいのやわらかさ』が理想です。
STEP3
混ぜ合わせた味噌を団子状にします。
STEP4
団子にしたら、保存する容器に押しこみながら詰めていきましょう。
STEP5
入れ終わったら空気に触れないように蓋をします。 常温保管で約10カ月寝かせておくと、おいしいお味噌が出来上がり! 保管場所は、直射日光の当たらない冷暗所が適しており、 流し台の下や物置、床下収納などに置く方が多いです。
この食材について教えてくれた人
漬物茶屋たけちょう 武長佳子さん
灘中央市場 漬物茶屋たけちょう 住 所:神戸市灘区水道筋3丁目2-6 TEL:078-862-6697 営業時間:店頭10:00~15:00 / 店内12:00~15:00 (金・土・日曜日〜21:00まで) 定休日:水曜日・木曜日