夏の食材 6月・7月
6月・7月
June , July
1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る時代ですが、どんな食材にも1番食べ頃となる“旬”があります。新鮮で美味しいことはもちろん、栄養価も高く、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多い旬の食材。いちばは、そんな旬食材の宝庫です。「いちばの旬は、これからだ!」では、その時に最も旬な食材と健康の情報をお届けします!
教えて松沢先生!
6月・7月の食材選の
POINT!

松沢 祥子
2000年兵庫医科大学医学部を卒業、医師資格を取得。現在は、内科、漢方内科の外来業務に携わりながら、40代、50代の若いうちから食生活や生活習慣を考えるきっかけになればと、腸活や薬膳を通して予防的な観点からのセミナーやオンラインショップでの発酵食品を使った加工食品の販売、料理講座などを主宰している。
■松沢先生のラジオ番組(standfm)
https://stand.fm/channels/6704df5f193cd72dcb2d56ab
■しょこ主宰オンラインショップ
https://instagram.com/hakkolabo?igshid=M2RkZGJiMzhjOQ%3D%3D&utm_source=qr
最近、頭痛に悩まされる…
それは梅雨時期の「水滞(すいたい)」が原因です。

撮影場所:マルシン
「最近やけに頭痛がする…」「いつも梅雨の時期は頭が痛くなる…」そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。頭痛はさまざまなことが要因となって生じる症状のため、一概に原因を特定することは難しく、東洋医学的にみても様々なタイプがありますが、頭痛と併せてむくみやめまい、梅雨から夏にかけて食欲が減退するといったことに心当たりがある方は、「水滞」が原因の可能性があります。水滞とは水分代謝が悪く、体の水の巡りが滞っている状態です。夏に向けて湿度が高くなると体が湿気を取り込んでしまい、水分代謝が悪くなることで体に不調が起こってしまいます。
水滞による頭痛を改善するためには、不要な水分を体から排出することです。薬膳では黒豆や小豆といった豆類や、ハト麦などの食材を摂ることで、水分の排出を手伝ってくれるとされています。その他にも、野菜ではとうがん、とうもろこし、スイカ、果物ではブドウやマンゴーなども同様の効果が期待できるでしょう。また、ハマグリやアサリなどの貝類、鯛やスズキといった魚介類もおすすめです。水滞の症状が出る方は東洋医学でいう「脾」、つまり消化機能が弱っていることが多いため、これらの食材を摂る時は、できるだけ火を通して温かくすることを意識してください。スープやおかゆにして食べるのも良いと思います。
気温の上昇とともに体力を奪われてしまいがちな季節ですが、症状に合わせてしっかりと養生し、清々しい初夏を満喫しましょう!
神戸の市場に買いに行こう!
6月・7月の食材Pick UP

黒豆
黒豆選びのポイントはサイズと産地。お正月用では3Lという粒の大きなサイズが見た目も良く人気ですが、普段の食事用であれば2L以下のサイズでも十分食べ応えがあります。産地で最も人気があるのは、やはり丹波の黒豆です。北海道産の黒豆もおいしいのですが、丹波の黒豆はよりもっちり感が強く、みずみずしいのが特徴です。黒豆を煮る際は、砂糖、醤油、塩、炭酸に湯を加えて煮立たせた後、火を止めて豆を入れて1晩つけておくのがおいしく煮るコツ。その後、トロ火でゆっくり焚くと、ふっくら柔らかな黒豆に仕上がります。
< 黒豆の煮方レシピ(3合 )>
湯…約カップ6杯
砂糖…180グラム
醤油…カレー用スプーン6杯
塩…ティスプーン1杯
タンサン…小さじ1杯弱
小豆
小豆は「小豆」として売られているものと、粒が大きい「大納言」という名前で売られているものがあります。大納言は粒が大きく、歯ごたえがあり、色も付きやすいことから、赤飯やぜんざいを作りたい方におすすめです。小豆は粒が小さいため、こしあんを作る時によく使用されます。ご飯の代わりに煮た小豆を食べると、ダイエット効果も◎ 健康のために小豆を湯がいてスープを飲む方も増えています。

この食材について教えてくれた人

朝日屋商店
平田貴美子さん

灘中央市場
朝日屋商店
住 所:神戸市灘区水道筋3丁目1
TEL:078-801-6121
営業時間:8:30~18:30
定休日 水曜日・第3日曜日

冬瓜(とうがん)
ハウス栽培も多く、1年を通して手に入る冬瓜ですが、夏に旬を迎える野菜です。名前に「冬」という漢字が使われているのは冬が旬というわけではなく、「冬まで保存可能な野菜」とされているためという説もあります。6~7月にかけては長崎、鹿児島産が出回り、その後、岡山、愛知産が並ぶことが多い冬瓜。新鮮な冬瓜の見分け方は、色味が濃く、トゲが付いているもの。また、全体的に色が均一なものは、万遍なく太陽にあたって育ったおいしい証です。
すいか
夏に旬を迎える食材の代表とも言えるのが、スイカです。最近では1年を通して見かけるスイカですが、やはり旬を迎えるこの時期はぐんと甘味が出てきます。さまざまな品種が作られているスイカですが、高糖度で人気のあるのが「羅皇ザ・スウィート」。中でも、大栄スイカという鳥取県産のものは、スイカの中でも甘味が別格です。全国でもトップクラスのブランドスイカのため、スイカ好きの方は一度ご賞味ください。また、8月から9月になると山形県の「尾花沢」というスイカが出回ります。こちらも糖度が高いことで有名なので、暑さが少し落ち着くころにチェックしてみてください。

この食材について教えてくれた人

池田商店
池田拓也さん

セルバ名店会
池田商店
住 所:神戸市東灘区森南町1丁目5-1-26
TEL:078-431-7793
営業時間:10:00~19:30
定休日 水曜日

鯛
6月ごろからどんどん脂がのってきて、おいしさを増してくる鯛。お刺身で食べる際は、皮付きがおすすめです。皮と身の間にはおいしい脂が入っているため、皮を湯引きにして一緒に食べると鯛のうまみを余すことなく味わうことができます。また、鯛と一緒に並ぶことが多い平鯛(ヘダイ)や胡椒鯛(コショウダイ)も鯛に匹敵するおいしい魚です。鯛よりも身がしっかりして、食べ応えがあります。ぜひ一度ご賞味ください。
はまぐり・あさり
潮干狩りシーズンの6月は、はまぐり、あさりが旬を迎えるタイミングです。この季節のはまぐりやあさりの身は大きく、しっかりとした出汁を取ることができます。おすすめの食べ方はアクアパッツァ。食べ応えのあるサイズで、貝の出汁もお米に染みわたってくれるため、おいしいアクアパッツァを作ることができます。先ほど紹介した旬の鯛を入れると、旬の魚介を満喫できる、最高の一品となります。

この食材について教えてくれた人

えび芳大谷商店
大谷登さん

灘中央市場
えび芳大谷商店
住 所:神戸市灘区水道筋3丁目6
TEL:078-871-3631
営業時間:9:00~19:00
定休日 水曜日